平日ではありますが、公開直後に安く観られるのは大変喜ばしいことです。当初の予定の 6月6日公開とかだったら、次の1日までもたなかった可能性もあるので…。
というわけで「スター・トレック」を一度観た方向けのネタバレ情報として、先日 TrekMovie.com に掲載された脚本家ロベルト・オーチー&アレックス・カーツマンの Q&A から、興味深い点を列挙してみたいと思います。
・カークがアイオワでなく宇宙で生まれたのは、ネロの攻撃で産気づいたため。
・少年カークが呼びかける友達ジョニーは、元々は兄弟のつもりだった。その可能性も残っている。
→兄ジョージのシーンは、カットされたものの一つです。
・エンタープライズがアイオワのリヴァーサイドで造られているのは、ジョージ・カークを追悼しているため。
→確かに軌道上とか地上とか以前に、場所が全く違います。本来はサンフランシスコ造船所。
・この世界にはお金か、何らかのクレジットシステムがある。
→マッコイが無一文になったという点について。カーク少年の車がヴィンテージというセリフもありましたね。
・ネロたちが25年間何をして待っていたのか、正史上の設定はない。
→カットされた部分では、ネロたちはケルヴィンとの戦闘後にクリンゴンに捕らえられ、ルラ・ペンテに収容されていたという内容もありました。そのため、25年後のネロの行動が「クリンゴンの流刑惑星」の下りから始まるわけです (ちなみに右耳が欠けたのもそのため)。ただ強制労働しているようなワンシーンが、まだ名残として残っていますね。

カットシーン、予告編より
・ブリッジのスクリーンは従来と異なって窓になっているが、上に映像を被せることもできる兼用型。より安全な場所へ移動させる代わりに、最上部で見渡せる場所ということをはっきりさせるために窓をつけた。
・2回目の「宇宙の嵐」は、スポックの船が現れた時のもの。
→これでカークは危険だとわかったわけですが、ネロの船は待っていただけで、1回目の時のように直接由来しているわけではありません。なおスポックの船は劇中では言及されていませんが、ジェリーフィッシュ (Jellyfish=クラゲ) という通名(?)になっています。
・ケルヴィンの生存者がいたりスキャン結果があるため、連邦はロミュランのことを知っている。このため、カークたちがTOS「宇宙基地SOS」で初接触という、従来の正史とは矛盾しない。
→さらにスキャン結果のおかげで、先進的な技術をある程度手に入れられた…という解釈もあるようです。
・ヴァルカン星の赤い空は、季節性のもの。
→空が青かった理由です。
・生き残った10,000人のヴァルカン人には、ヴァルカン星以外にいた数は含まれない。
→つまり全体のヴァルカン人の数は、もう少し多いことになりますね。
・「アーチャー提督」は、子孫ではなくジョナサン・アーチャーその人。ENTも過去なので、新タイムライン上にも存在している。
・スコットと一緒にいた異星人 (名前は Keenser) も、宇宙艦隊士官。
→確かにラストでは制服を着ていました。
・クレジットでは老スポックを区別するために "Spock Prime" としている (prime=第一の、主要の)。新タイムラインを指す用語はない。
・前篇コミック "Countdown" と映画に矛盾がある理由は、「コミックは正史ではないから」。
→コミックの脚本も自分で書いてるのに、それを言っちゃあ…。
今後の展開についても、ヒントを出しています。
・新しいタイムラインも、従来のタイムラインで過去に起こっていた出来事は同一 (ボタニー・ベイ、ヴォイジャー6号など)。
・老スポックは時間法 (時空保護指令、時間規則=Temporal Prime Directive) を守るため、未来の技術の暴露は最小限になる。
→彼は「こちら」で生きているわけで、何でもありになっちゃいますからね。
・TNGのキャラクターを出す可能性もある。